東の豊川稲荷、西のお千代保稲荷に清光堂あり 第2章
名前と生年月日を記入した紙をじーっと見る年配の男性、顔を上げて話し掛けてきた「頑固だね!」最初の一言はそれか?っと思っていると続けて「人の話は聞かないね?」とまたしても気分が悪くなる様な発言。しかしながら当たっているのも事実である。なぜか言われた本人が愛想笑い、嫁は大笑い!、ついでに「そうそう」を連発で言っている。普段ならそうですかと言い放ち席を立つ所だが、少し大人になって最後まで聞いて見る事に。
その中年男性は心を見透かす様に私の事を話す、内容は恥ずかしくて公表出来ないが見事なものだと感心している自分がいた。悪い事ばかりを言うのではない、営業的にフォローもしてくれている。少し助かった感じがしました。何が良くて何が悪いのかを言ってくれました。それは特別な事でなくごく当たり前な事。
そこで思いました、言ってくれる言葉を素直に聞けるか、聞けないかは自分次第。あの人の言うことは聞けるとか聞けないとかは言い訳だと気付きました。気付いたのは何故か?それはその言葉を聞き入れる状況だった事、伝える人が静かに私を見据えるように話をしてくれた事だったからでしょうか?とても不思議な事でした。
以前、清光堂のうわさを聞いていたが、事業は努力あるのみと思いこんでいた自分を中年男性に伝えると「今日、お会いする事になってたと思いますのでご心配なさらず」とも言ってくれた。その言葉は何やら心を軽くしてくれた。そこには今までとは違う気持ちで話を聞こうとする自分がいた様な気がします。