市街化調整区域

小春日和の3/6。そろそろ畑の準備をと石灰を一輪車に乗せて畑にまんべんなく散布です。
何故撒くのか。それは酸性土壌を中性にすることで作物の育成に役立つことと、もうひとつが土壌の消毒です。
去年の作物で歪な形のものが出来ていれば土壌が病気に罹っている確率が高いと近所に住む農業の師匠が言っていました。
石灰の散布が終わるころになると風が出てきました。これは不都合です。石灰は粉状ですので風で飛んでしまいます。
そこで自宅から耕運機を持って来て急遽、耕すことになりました。耕すことで土と混じる為に風で飛ばされることはありません。
耕運機の作業が終わりの頃に隣の畑のおばさんが「わしのとこも耕してくれんか?」と声を掛けられたので「良いよ」と承諾です。
すぐに隣の畑に行って耕す場所を決めてもらって早速、耕運機の作業です。
耕運機を操作していると意外に土壌の状態が分かります。結構固く成っていました。
普段、おばさんは鍬での人力です。年老いた人が鍬でおばさんに比べれば若い私は機械です。
おばさんにいつでも声を掛けなよと言うと「ありがとうね」と耕運機の作業風景を見ていました。
念入りに耕したので土壌はふかふかになりました。
「おばさんこれで良いよ」と言うと喜んでくれました。何やら亡くなった母にして上げた様な気分です。
そのおばさんの畑は売りに出ています。体力的に厳しいらしい、とおばさんは言っていました。
そこで一言ぽつり、誰か買ってくれんかな?って。正直に言うと厳しいなと思えました。何せここは市街化調整区域です。
農林漁業の方には手厚い土地ですが、それだけです。私の住んでいる所は年々人口が減る過疎地帯です。
空き家ばかりが増えています。ついでに空地も増えます。年寄りしかいません。
他の地域から来てもマイホームは建てれません。元々この地に代々住んでいる証拠があれば良いのですが
それが無ければ建てれません。そんな地域ですので中々売れないのが現実です。
土地成金でも市街化調整区域の土地ばかりを持っていても百姓をする以外方法がなく、百姓を継がないとなれば全く持って生きない地域です。
今、65歳以上の方がなくなった場合、この地域はどうなるのかと暗い先行きを予想しています。

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